挨拶

2011年5月16日月曜日

5/9 月曜三限 「科学史」

各惑星の回転軸の位置は異なる
└→惑星の「留」や「逆行」を説明(実際には説明出来ていないが、そういう事にしてある)

B.月下界

:不完全な世界⇒生成、消滅、変化が絶えない世界、直線運動
  • 運動:自然運動と強制運動
  • 構成元素:土、水、空気、火の順に地球の中心から層をなして存在

自然運動:各元素が本来の場所に戻ろうとして生じる
強制運動:自然に逆らって行われる運動 <例>石を持ち上げる

運動の原動者
自然運動:運動体自身
強制運動:運動体の外部にあり、運動体と直接接触することによって生じる
<問題点>物体の投射運動をうまく説明できない。
⇒アリストテレスの説明:「真空嫌悪」自然は何も無い空間を嫌うので、これができると周りの空気がそこに入り込む。物体が移動した空白(一瞬前に物体があった場所)が真空になり、その真空に空気が流れこみ、物体を押し上げる。(これはこじつけでしか無い)

四元素説
元素は物体の素材であるmatter(質)と性質であるform(形相けいそう)が与えられて出来ている。
四元素のmatterは全て同じであるので、元素の違いは形相の違いによる。
対立する性質、熱-冷;乾-湿が同時に存在することはないので、可能な組み合わせは、
熱と冷→火熱と湿→空気
冷と乾→土冷と湿→水
四元素は相互に変換できる。
「水」を熱する→「水」の「冷」を「熱」に変える→「熱」と「湿」の空気(水蒸気)になる
⇒金を金でない物質から作ることもできる。(→錬金術の金属変成の理論的基礎)

第3講コペルニクスの天文学

§1コペルニクス以前の天文学

プトレマイオス(2c)の『アルマゲスト(偉大な書)』から
(a)離心円:地球は宇宙の中心から少し離れたところにある。惑星の動きの説明などに使用された理論
(b)周転円と導円:惑星の軌道が、同心円で構成されているが軌道が楕円になるという説明
(c)(a)と(b)の組み合わせ
A~Bまでの時間=B~Cまでの時間
└周転円の中心はエクァントに対して一定の角速度を持つ。つまり移動する距離は等しくないが、エクァントに対しての角度が一定の速度で増える。
└→円運動への固執と「現象を救う」との妥協の産物
※「現象を救う」:当時の言葉で、現実の現象と理論を一致させることを指す。

当時の天文学
宗教の祭祀の日取り決定
プトレマイオスの理論は数学的虚構⇒天体の経路を計算するために役立つ数学的仮説
※宇宙の中心が地球の位置と一致しないことの理由は問わない(プトレマイオスの理論が現実に真理であるとは思っていなかったから)
コペルニクスの言っていることも数学的虚構であるとオジアンダーは言った

2011年5月5日木曜日

4/25 月曜三限「科学史」

<日本における西欧近代科学の受容>

本格的に移植されたのは明治期
移植元の西洋科学が制度化されていたため、比較的抵抗なく受容された。
脱亜入欧←しかし、西洋に対する違和感あった→和魂洋才

制度化の二つの方法

  1. エリートの留学
  2. お雇い外国人教師

代わりに、日本式数学である和算は消えた。だが和算は、単なる数学ではなく、茶道や華道のような「道」に近い。

第2講 アリストテレスの自然観

アリストテレス B.C.4「万学の祖」数多くの学問に通じていた。

1.自然観の特徴

  • 階層的秩序

  • 目的論的世界観
    自然現象を説明するときはその目的を考える。 「~という現象は~するために生じた」




v.s.
機械論

2.自然界の秩序

本性(ほんせい)の異なる2つの世界
A.天上界(月を含めた、それより上の世界)……完全な世界
構成元素:アイテール(エーテル)非常に希薄でおそらく重さはない。
運動:円運動
※円運動の完全性(対比)直線運動
円運動には始点・終点がない(円上の点は全て一様)⇒永続的
直線運動には始点・終点があり、前後・左右・上下の対立がある
↑形而上学的説明
形而上学:metaphysics(meta:~を超えて physics:物理学)超物理学←物理学よりさらに一般化する

地球-恒星天球間の惑星の配置
地球が不動の中心
月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星の順にそれぞれのための天球同心円を描いて配列されている。
透明な天球に各惑星が密着しており、天球の回転に伴って各惑星が回転する。
天球は不動の動者=神が動かしている。
最外殻の恒星天球の外は「無」であり、閉じた有限の世界を想定。