「死ぬ時は、こうして、二人一緒だよ。怖れるな。そして、俺から離れるな。火も爆弾も忘れて、おい俺達二人の一生の道はな、いつもこの道なのだよ。この道をただまっすぐ見つめて、俺の肩にすがりついてくるがいい。分ったね」
──伊坂:坂口安吾「白痴」
このセリフは白痴の女と空襲から逃げる際に発せられたもの。格好良い事を言っているが実は、みんなが逃げている道に行くと助かりそうもないので、ほかの道を行くべきだと女に言っているだけである。
普通にそっちに行くと死ぬぞとだけ言えばいいのだが、こんな事を付け足すあたり主人公は常に全力で人生というものに向き合っていると見える。
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