第2回
科学哲学の諸論点
- 経験的知識と「超」経験的知識
- 哲学の4分野
- 科学哲学の諸論点
- 線引き問題
経験的知識と「超」経験的知識
(1)わたしの弟は32才である→経験的知識
↑ほかの可能性がありうる←偶然的真理にかかわる→科学の目的
(2)わたしの弟は男である→超(非)経験的知識
↑ほかの可能性がない! ←必然的真理にかかわる→哲学の目的
目的であって、手段としては双方が双方ともに必要
※命題:イエス/ノーで答えられる平常文
a、aならばb→b(例:今日は晴れである、今日が晴れならば運動会がある→今日は運動会だ)
↑「{aかつ(aならばb)}ならばb」
シャーペンとは? 「芯を削る必要のない書く道具である」
しかし、「芯を削る必要のない書く道具で、しかもシャーペンでない、そういうxが存在する」
xが存在した、故に命題は偽。
※存在:固有名を持っていて同定できる状態にある
哲学の4分野(代表的な「~とは何か?」)
- 論理学
- 正しい推論とは何か?
- 認識論
- 正しい認識とは何か?
- 存在論(形而上学)
- 「○○が存在する」とは何か?
- 価値論
- ○○が価値を持つとは何か?
論理学・認識論(二つまとめて広義の「認識論」)
推論
AはBである
BはCである
故に
AはCである
鳩山はカラスである
カラスは赤い
故に
鳩山は赤い
↑事実とは違っても、推論としては正しい(論理学上は正しい)←推論に使われる事実の認識が正しいかどうかを調べるのが認識論
「クロ」はカラスである
カラスは黒い
故に
「クロ」は黒い
「『クロ』はカラスである」は、
aは「クロ」である
aはカラスである
故に
「クロ」はカラスである
という推論から成り立つ。
「カラスは黒い」も同様。
存在論
- ○○先生が教室に存在する
- 方程式x+5=7の解は存在する
1の存在する→見える:特定の時・場所に個物が「ある」
2の存在する→見えない
あるチョークが存在する
ある心が存在する:空間には存在しない
価値論
モナリザは美しい ←価値に関しては、事実と別の考え方を持つ
モナリザはダ・ヴィンチ作である ←事実で説得できる
事実と価値は全く別物
「esse is percipii(To be is to be perceived)」存在するとは気づかれているということ
科学哲学の諸論点
認識論的論点:科学的認識とは何か?
存在論的論点:「科学が想定する、対象が存在する」とは何か? (例:引力)
価値論的論点:「科学に価値がある」とは何か? 「価値のランク付け 例:科学の発展と人命とのランク差(人体での生体実験が許されるか? など)」
線引き問題
定義すること=区別すること →科学を区別するための「疑似科学」
認識論的論点:科学と疑似科学の間に方法論の差はあるか? (下駄投げ占いと天気予報の差)
存在論的論点:科学と疑似科学の想定する対象に差はあるか?
価値論的論点:科学と疑似科学に対する対策に差を認めるべきか? (公的資金の投資の差)
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