寓話としての短編(抜粋)
『言うべきことや語るべきことがなくただ手法だけがある時代、たとえば映画の「スワロウテイル」やアニメの「エヴァンゲリオン」を評してそういう風に言う人がいる。言うべきことや語るべきことを持っているのは基本的に政治家だと私は思う。作家やその他の表現者は言うべきことや語るべきことがあって作品を作るわけではない。
伝えたい何かがあるから、作るのだ。アピールしたいわけでもないし、マニフェストしたいわけでもない。ただ、自分と言う容器にある情報を伝えたいというだけなのである。』
「村上龍 自選小説集3」より
0 件のコメント:
コメントを投稿