挨拶

2008年2月28日木曜日

自分自身

人は完全には他人を理解できない。
だが、人は他人を理解しようと努める。
しかし、それはかなりの労力を要する。
だから、分かり合おうとする姿勢をとり続けるれば、疲れてしまう。
疲労を防ぐために、人は他人に迎合したり、システムに従う。
それは楽なのだ。自分の意見を言わず、他人に従う。自ら自らの未来を決定する事は疲れる。
その努力を行わない者は、状況の奴隷である。
そういった人々に、現状を変える力はない。
だから、カリスマ性を持つ人に惹かれるのであり、物事をはっきり言う人間が好かれる。
 
僕は最近、自分がコミュニケーションを極力取らない様にしつつあったのに気が付いた。人と話す時に目を見ない、自分の意見を言わない、適当に同調する。気が付いてから、僕はそれを直そうとしている。他人の目を見る事、自分の意見を言い、他人に簡単に同調しない事。
他人の意見を批判しなければ、波風は立たず平和だろうが、僕は奴隷になりたくない。
今僕は疲れているが、どうにかしてコミュニケーションを取り戻したいと思う。

2008年2月8日金曜日

ポケモンの神話7 恐ろしい神話


恐ろしい神話


そのポケモンの目を見た者
一瞬にして記憶がなくなり
帰ることができなくなる
そのポケモンに触れた者
三日にして感情がなくなる
そのポケモンに傷を付けた者
七日にして動けなくなり
何もできなくなる

原文:
おそろしい しんわ

そのポケモンの めを みたもの
いっしゅんにして きおくが なくなり
かえることが できなくなる
そのポケモンに ふれたもの
みっかにして かんじょうが なくなる
そのポケモンに きずを つけたもの
なのかにして うごけなくなり
なにもできなくなる

2008年2月7日木曜日

詩「鍵盤」

彼女は崩れた家の一つにピアノがあることに気が付いた。

彼女はピアノを弾いた事は無かったが、崩れかけ、屋根が無くなった部屋の中で、ピアノの前の椅子に座った。

鍵盤に指を置く。
 
降り積もった塵のせいで、澄んでいるとは言えない、震えた、どことなく悲しげな音がした。

弾けるわけでも無いので、彼女は鍵盤を適当に叩いていた。
 
その時、誰かがやって来た。
その青年は、ピアノを貸してくれ、と彼女に言った。 
彼女は椅子から降り、青年にピアノを貸した。
 
青年は、悲しげな音の出るピアノでジャズ・スタンダードをボッサ・ノヴァで弾いた。

曲調もテンポも明るいのに、悲しげなピアノの音は、何処までも悲しげだった。

青年はピアノを弾きながら歌った。
 
彼女には英語の歌詞は分からなかったが、所々分かる単語からすると、どうやら恋の歌らしかった。
 
恋の歌をボッサ・ノヴァで弾いて、屋根の無い青空の見える部屋で聞いても、そのピアノの音は、どこまでも悲しげだった。