挨拶

2011年4月21日木曜日

4/18 月曜3限「科学史」

16・17世紀「科学革命」の時代

Scientific Revolution 現代科学の源
↑対比↓
scientific revolutions :パラダイム転換(paradigm: 規範)
自然観の転換:アリストテレス的自然観から機械論的自然観へ

科学団体の形成

1660年 ロンドン Royal Society
アマチュアの団体、会員からの回避で運営。Royalは「王立」というより「国王認可済み」程度の意味
1662年 パリ Academie Royale des Sciences
エリートの団体、政府機関

18世紀 啓蒙主義の時代

科学における脱キリスト教化
合理性や進歩の強調

19世紀 科学の制度化の時代

scientistの登場 ←科学研究を職業とする人々
└→1830年代の造語(William Whewellによる) ※scienceの語源はギリシア語の「スキエンティア(知)」
これ以前はnatural philosopher 自然学者
man of science 科学愛好家(アマチュア)
scientist→高度な知識を持っているが、視野が狭い(Whewellは批判的な態度)
「科学技術」の成立
これ以前、科学と技術は別々の道
科学の担い手:エリート
技術の担い手:職人
・1830年代以降 有機化学の成立→合成染料の発明

20世紀「ビッグ・サイエンス」の時代

(まだ終わって10年しか経っていないので、この時代をどう定義するかの合意はまだ無い)
国家による科学政策
科学技術への批判が台頭
日本における西欧近代科学の受容
本格的に移植されたのは明治期

2011年4月14日木曜日

木曜2限 日本倫理思想史

※板書じゃないので要点をメモしただけのものです。一部はレジュメより。

系譜学と歴史の表象

 1 系譜学への視座


歴史学←因果律

対抗

系譜学←時間は断絶している

キャッチコピー「乱反射する時間

3.11、歴史の中心は突如切り替わった

3.11まで、日本が全体で可哀想だと思っていたのは宮城県だった。宮城県が好転したわけでもないのに、突如歴史の中心は東北に移ったのである。中心が宮城から東北に移ったことは必然ではなく、因果もない。→歴史は連続していない

前近代「循環する時間」自分から子孫、この世からあの世、の連続。
近代「時間は一過性の物」人間は、あの世を否定することで近代を手に入れた。死んだら終わり。(あの世がない近代の人間は、この世で頑張るしか無い。だから、近代人は頑張れなくなったとき病気になる)

右派も左派も、歴史の連続性の上に成り立っているという点で同じである。歴史は連続していないという新しい立場が必要。

過去が持つ他者性を、近代的な言葉で飼い慣らすことが歴史を語るということ。歴史は歴史のまま語れない。歴史を語る側の人間の言葉で語られるのである。

関ヶ原の戦いについて、我々は何を知っていれば「知っている」と言う事になるのか?
起きたとき?
起きた場所?
参加した、死亡した人数?
家康や三成の思い?

南京の虐殺

中国は死亡者を30万人という。
日本は多めに見積もっても20万人だという。(中国の主張:日本は加害者なのになぜ被害者の主張を受け入れず被害者の数をねぎるのか)
だが、30万人だからどうなのか。
その30万人のうちのひとりの無念でも理解できるのか
どれだけの遺族の悲しみを知っているのか
30万人が正しいとしても、正しい被害者の数を把握することが南京の虐殺についてちゃんと「知っている」事になるのか

我々の想像を超える数字を語るとき、思考が止まる。

今、原子力発電所の見直しが声高に語られている。
だが、原子力発電所は原子力の平和利用である。なぜ原子炉を批判する前に、最初から人を殺す為に原子力を利用している原子爆弾を批判しないのか?
なぜ原子爆弾や水素爆弾の大気圏内実験をしていた国が放射線汚染で騒いでいるのか。

系譜学

今語られている歴史は物語でしかないのではないか?
本来歴史は繋がっていない。繋がっていないことを無理やりつなげようとすると、歴史は歴史家の語る物語でしかなくなる。

歴史は必然で出来ていない

歴史には偶然がある。強者が常に勝ち続けたわけでないことがその証明となるのではないか。

2011年4月12日火曜日

月曜三限「科学史」

第1講 近代科学の流れ-その概観

12世紀

12世紀ルネサンス

イスラム世界に受け継がれたギリシア・ローマの学術書(主としてアラビア語)のラテン語への大翻訳運動
※古代ギリシア・ローマの科学技術はそのままの形でヨーロッパへ継承されたのではなく、イスラム帝国を経て、アラビア世界へ。
キリスト教徒のレコンキスタ(国土回復運動)によるイベリア半島の奪回と、それに伴うアラビア誤訳された大量のギリシア・ローマ文献の発見
翻訳例:アリストテレス、アルキメデス、ユークリッド、ヒポクラテス、ガレノス

13世紀

キリスト教とアリストテレス学融合(→スコラ学の成立)
キリスト教:神による世界創造
アリストテレス:「世界の永遠性」-世界には始め終わりもない
※アリストテレスの学問は異教徒の学問

14・15世紀

イタリア・ルネサンス

各地に散在するギリシア・ローマ文献の収集と言語からのラテン語訳12世紀ルネサンスでよみがえらなかった異端的、神秘主義的、魔術的思想の復活
例)ルクレティウスやエピクロスの原子論、ヘルメス文書、プラトンの思想