挨拶

2010年8月2日月曜日

哲学のテスト対策

仮説演繹法
トップダウン型の帰納法である。重力などは、一つ一つの事柄を確かめていく枚挙的帰納法では検証が困難であったことから用いられるようになった方法。一般法則を仮説として立て、仮説が正しければある条件のもとで観察できるであろう出来事を予測する。予測と観察の一致によって確からしさを増していくが、一度でも不一致があれば反証される。

ヒュームの懐疑主義
ヒュームの懐疑主義は、観察を重ねることで確からしさが増すという帰納法の前提を疑うことで始まっている。ヒュームによれば、帰納の背後には、「これから観察されるものは以前観察されたものに似ている」という斉一性原理があるが、その斉一性原理は帰納によって導かれたものであり、帰納法は循環的正当化に陥っているとされる。

ポパーの反証主義
予想と観察が一致しても、仮説が確からしくなることはないという主張。重要なのは反証であり、反証によって新しい仮説が形成され科学の進歩が行われているとする。たとえ仮説が検証されても、まだ反証されていないだけであって、反証するために観察を重ねる必要がある。反証主義において、科学と非科学との線引きは反証可能性によって行われる。反証不可能な仮説は非科学的であり、反証可能性がより高い仮説ほど科学的であるとされる。

過小決定
どんな観察も仮説に反しないよう解釈可能なので、観察によって仮説は決定されないという考え。観察予測を正確に演繹するために補助仮説群というものが存在するが、それに手をくわえる「後付けの変更」を利用することで、どんな観察結果が出ても仮説を守ることができる。そのため観察は仮説を決定することはできないとされる。

蓄積的進歩
科学は古い理論に新しい理論が積み重なって進歩していくということ。蓄積的進歩の上では、以前の理論は新しい理論の特殊ケースとして説明され、これを還元と呼ぶ。

クーンのパラダイム論
観察の理論負荷性と通約不可能性を軸とした考え。観察の理論負荷性は、観察は背景理論から独立では存在しないということで、自身の説と合わない部分をノイズとして処理してしまう。通訳不可能性とは、観察の理論負荷性により、異なる理論の間では優劣を比較することは不可能であるということをさす。科学の発展は現行のパラダイムで説明されていない現象(アノマリ)を解決することで起きるが、ときにはパラダイムそのものの転換によっても生じる。

ラカトシュのリサーチプログラム
クーンがパラダイムと呼ぶものを、ラカトシュはリサーチプログラムと呼ぶ。1つのリサーチプログラムは、固い核と防御帯からなっている。固い核は、そのプログラムの中心的主張であり、変更や放棄を行えばそのプログラムではなくなるものである。防御帯は必ずしも譲れないわけではない主張であり、不利な実験結果は防御帯を修正することで解決する。 また、プログラムが前進的かか否かは、「新奇な予言」の成功があるかないかで判断する。

ラウダンのリサーチトラディション
リサーチトラディションでは、リサーチプログラムとは違い内部に微妙な差異、変化を許容。問題解決能力、つまり説明できることの多さが増大していれば、新奇な予言の必要はない。また、後付けの説明もありそうかなさそうかで判断し、程度の問題として処理する。

奇跡論法
奇跡論法は、科学実在論を支える論拠の主なものである。成熟した科学理論は近似的に真であり、微細な条件を無視すればおおむね世界の在り方を記述している、というのが科学実在論である。奇跡論法は、もし実在論が偽であるとするなら、科学技術の成功は奇跡になってしまうという主張である。

道具主義
反実在論の一種で、理論を道具ととらえる立場である。目に見えないものに関する言明は真でも偽でもない。しかし、現象を説明、予測するのに便利であるから使用されるという主張。

構成的経験主義
反実在論の一種。目に見えないものに関する言明は真であり得る。だが、それを確かめることは科学の目的ではなく、経験的に十全な理論を組み立てることであるという主張。

ファイヤーアーベントのアナーキズム
地動説が提唱されたとき、天動説は合理的な根拠や証拠もあった。これを否定することは合理的ではなかったが、その非合理的な行動によって科学は進歩した。ファイヤーアーベントは、科学の進歩を促す唯一の方法論や合理性の基準などはなく、唯一進歩を妨げないのは"Anything goes"であるとした。

科学知識社会学
「科学者」の社会学であったマートン学派と違い、科学知識をも社会学的分析対象に組み込んだ社会学。科学の成功も失敗も社会的要因が決定する、つまり方法論の次元で決定できない事は社会的な力関係が決定するというブルアの「ストロング・プログラム」が大きく影響していた。

統計的検定法
反証主義の統計学的改良版である。反証の原則「仮説が真ならば起こり得ない現象が起きたら、仮説を放棄せよ」を、「仮説が真とするならば、非常に低い確率でしか起きないような現象が……」とすることによって過小決定の問題をクリアする。検定するには、まず検証したい仮説の否定「ゼロ仮説」と有意水準を設定、そしてゼロ仮説のもとで実験結果のような現象が起こる確率「P値」を計算する。P値が有意水準より大きいならゼロ仮説は放棄できず、元の仮説の検証に失敗する。

ベイズ主義
推定統計学の中の一つの立場。確率論におけるベイズの定理の応用。確率の主観説を説く。確率の主観説において、確立とは信念の度合いであり、統計的頻度ではない。しかし、統計的頻度と主観的確率はかけ離れることはない。証拠の積み重ねによる事後修正によって信念の度合いが変化するからである。

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