統計学的科学方法論I
- 様々な心理的バイアス
- 統計的検定法
- 統計的検定法からみた疑似科学
様々な心理的バイアス
……なぜ我々は疑似科学を信じるのか?- 代表性バイアス
- 典型的現象の頻度を高く見つもる(賭博博士の誤謬)
- 利用可能性バイアス
- 記憶に残りやすい現象の頻度を高く見積もる(♪早く会いたいのに赤信号ばかりー)
- オペラント条件付け
- 成功した状況を再現しようとする(ジンクス:あの時はこのブレスレットをして勝ったから今日もそのブレスレットをつけよう)
- 検証バイアス
- 自分の主張に有利な証拠ばかり見つけてしまう
- 他人の影響
- 周りの大勢的判断に流されてしまう
統計的検証法
……反証主義の統計学的改良版(医学、社会学、etc.)反証の原則:仮説が真ならばおこりえない現象が起きたら、仮説を放棄せよ!
↑
↓
しかし、過小決定の問題
⇒仮説が真とするならば、”非常に低い確率でしか起きないような現象が”……
ex.「A社のお守りを持つと、三か月の間に彼女ができやすくなる」仮説の検証
既知条件:お守りを持たずに彼女ができる確率30%(15人/50人)
実験結果:50人に20人できた
1.ゼロ仮説の設定
└→検証したい仮説の否定(「お守りに効果はない」という仮説)
2.有意水準の設定
└→ゼロ仮説のもとでは、おこりうる現象のうち、どの程度まれにしか起きない現象が起きれば仮説を放棄するか? →通算5%以下(20回に1回)
3.P値の計算
└→ゼロ仮説のもとで実験結果のような現象が起こる確率12.3%
4.P値>有意水準⇒ゼロ仮説は放棄できず、もとの仮説の検証に失敗
[注意]
1.有意水準は社会的影響を考えて
2.標本はランダムに集める
統計的検定法からみた疑似科学
1)超心理学における転置効果(前方変位、後方変位、サイミッシング)最初の仮説の真理条件「彼は透視能力を持つ」⇒解釈後「彼は透視能力or前方変位or後方変位orサイミッシングを持つ」
透視能力のP値=前方変位のP値≠透視能力か前方変位の能力⇒単純なミス
2)ゴークランの火星効果(10万件を超えるデータをもとに)
→標本のサイズが大きいと、小さい場合と同じ割合を得ても、P値は低くなる。
20人/50人と2000人/5000人⇒単純なミスではないが、効果にはなお疑問
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